『21グラム』

john_n2004-07-08

命が消えるそのときに、人は21グラムだけ軽くなる。

レディースデーだったし、上映も今週いっぱいだったので、観てきました。
だいぶ重い悲しい映画だったけど、観てよかった。とにかく俳優がすばらしい。もちろん脚本も。
あまり予備知識なしで行ったので、時間軸がばらばらで話が進んでいくため、最初は混乱した。でも、少しずつすべてが繋がっていって、最後に静かに収束する。解りづらいと言ってしまったらおしまいなんだけど、ただ時間の流れの通りに順々に辿っていったら、ここまでうまくみせられなかったと思う。
度々出てきたセリフ「人生は続いてく(life goes on)」。死にゆく自分から発せられ、人を殺してしまった人に対して語られ、愛する人を失ってしまった人に寄せられた言葉。それぞれ含まれる意味は違うけれども、同じ言葉。それでも人生は続いていく。すごく響いた。
それぞれが抱える苦悩を役者が丁寧に演じていて、それぞれに感情移入してしまい、すごく辛かった。主役の3人の名演に脱帽してしまう。ナオミ・ワッツの悲しみ。ベニチオ・デル・トロの苦悩。ショーン・ペンの存在感。3人が共鳴し合い、相乗効果ですばらしさが増していたように思う。個性を潰しあうのではなく、引き立てあっていた。
全体的に静かで、夕暮れのような物寂しい感じ。どんなに辛いことが起ころうとも人生は続いていく。そして、その先にはきっと希望があるはず。
エンドロールの音楽が渋くてかっこよかったなぁ。